日本の美術はあまり関心をもてなかったんです。
なんでかな?と思うに、色がないのも一つかなぁ、水墨画には黒しかないもの。
あるいは屏風だと、どれも金バックで形式が決まってて、同じように見えてしまうとか。
でも今、愛知県美術館で開催中のこれは「奇想」、そして極彩色あり、というので興味が出て、見てきました。
なるほど、入ってすぐの重要文化財《群仙図屏風》などはインパクトのあるカラーが使われてました。
黒の濃淡の中におかれた赤、青、黄、原色。
それもよかったけど、私の好みは緻密に彩色された《鷹図》でした。葉っぱのグラデーション、いろんな種類の花々が美しい。
そして、襖絵を見続けているうちに、モノトーンの良さもちょっとだけわかったかなぁ。
陰翳礼讃の日本家屋には合ってるんでしょうね、黒の濃淡だけで表現されたものが。薄暗い部屋に、山川や動物がうっすら浮かぶさまを想像すると、幻想的です。
奇想の画家というと伊藤若冲が目立ちますけれども、若冲のが整えられた美としたら、曾我蕭白にはもっとプリミティブなものを感じます。
皆さんもよかったら。
展覧会は11/21までですが、こちらの重要文化財は10/31までしか展示されないそうなので、今月中に見ていただきたいですね。
新版 奇想の系譜 辻惟雄
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