素~へらへらぼっちゃん~

町田康氏の書く文章が好きで、とりわけ10年くらい前のものが好みで、このエッセイをまた読み返していた。

「どういう訳か自分は、中学生くらいから現在に至るまで、ばりばりの奴、いけてる奴、のってる奴、よりは、因果なデクノボーに心惹かれる癖があって・・・」というくだり。思わず「あっ」と声が出そうになったのは、まさに私もだなぁと思ったから。

誰もが二重丸をつけるような物や、正統派の立派な人よりも、絶対に主流にはなれないところで、皮肉に笑いながらスパークしてるしてるような物・人に感応しちゃうのですよ。

そんな嗜好ということは、私もやはり因果なデクノボーの一人であり、素直で屈託のない人には一生かなわないと思うし、社会に役立っている皆さんに対しては 「すいませんすいません」と言いたくなるのだけど、幸か不幸か、そうは見えないみたいでね。何かの拍子にデクノボー的部分が出ると、びっくりされる。びっ くりされると、こっちが驚く。人に見えてる自分って、わからない。

でもまれに、すぐ気づく人もいるんだな。嗅覚ていう感じ。そういう人とは、通じ合えるものがあって、なんか安心して素でいられる。お互いに影の部分に面白みを感じる間柄は結構好き。