抽象絵画の開拓者カンディンスキー。バウハウスでも教えてましたね~。
彼が抽象画に至るまで、どういう風に作風が変わっていったか、
時の流れに沿って 展示してありました。
最初のころは まだ色彩も抑えめで繊細さを感じるタッチ。
チケットやポスターにも使われている、この「花嫁」はブルーがとても綺麗です。
ブルー=女性、聖母マリア、神秘 なんてキーワードが自然に浮かびます。
同じころの作品で「鏡」という、もうちょっと小さい作品も好みでした。
タロットカードにありそうな意味ありげな絵。
だんだん、色鮮やかになってきて、イエロー×ロイヤルブルーなど、
補色が同時に使われるような激しさを感じる絵が続くなか、
好きだなと思った一枚が、このピンク
ここは、パートナーと愛を紡いだ場所かなぁ、なんて。
そう、彼の人生の軌跡も、文章やたくさんの写真で展示されてるんですが、
「美術学校の教師をしていたカンディンスキーは、教え子のミュンターと運命的な出会いをした」
「宗教上、妻と別れられず、苦しい気持ちを抱えた二人は、オランダ、チュニジア…と長い旅に出る」
愛の逃避行ですよ。一緒に自然の中で絵を描く日々。でも第一次世界大戦によって、二人の運命は変わってしまう・・・
一人になったミュンター。ロマンチックさと切なさと、なんだか映画のストーリーみたいです。
こちらがミュンターさん(カンディンスキーが描いたもの)
さてさて ラストに近付くにつれ、色が踊りだします。
抽象的な絵って、線や形が単純化されてますが、
ただ なんとな~く省略してるんじゃないですもんね、
「本質を捉えたからこそ、できる単純化」
おもしろいなと思ったのが、こちら
コンサート開場いっぱいに広がる音を色にするとイエローだったんですね。
色で聴覚を象徴した絵です。
移りゆく季節の中の、美しさ。刻々と表情を変えていく自然。
人生を彩る、激情、感情、感動。
絵って、ある一瞬を切り取って、永遠に変えるわけですよね。
芸術家ってすごいな。と思いました。