カンディンスキーと青騎士展@愛知県美術館

抽象絵画の開拓者カンディンスキー。バウハウスでも教えてましたね~。

彼が抽象画に至るまで、どういう風に作風が変わっていったか、
時の流れに沿って 展示してありました。

最初のころは まだ色彩も抑えめで繊細さを感じるタッチ。

20112171

チケットやポスターにも使われている、この「花嫁」はブルーがとても綺麗です。
ブルー=女性、聖母マリア、神秘 なんてキーワードが自然に浮かびます。

同じころの作品で「鏡」という、もうちょっと小さい作品も好みでした。
タロットカードにありそうな意味ありげな絵。

だんだん、色鮮やかになってきて、イエロー×ロイヤルブルーなど、
補色が同時に使われるような激しさを感じる絵が続くなか、
好きだなと思った一枚が、このピンク

20112172

ここは、パートナーと愛を紡いだ場所かなぁ、なんて。
そう、彼の人生の軌跡も、文章やたくさんの写真で展示されてるんですが、
「美術学校の教師をしていたカンディンスキーは、教え子のミュンターと運命的な出会いをした」

 

「宗教上、妻と別れられず、苦しい気持ちを抱えた二人は、オランダ、チュニジア…と長い旅に出る」

愛の逃避行ですよ。一緒に自然の中で絵を描く日々。でも第一次世界大戦によって、二人の運命は変わってしまう・・・

一人になったミュンター。ロマンチックさと切なさと、なんだか映画のストーリーみたいです。

20122173

こちらがミュンターさん(カンディンスキーが描いたもの)

さてさて ラストに近付くにつれ、色が踊りだします。
抽象的な絵って、線や形が単純化されてますが、
ただ なんとな~く省略してるんじゃないですもんね、
「本質を捉えたからこそ、できる単純化」

おもしろいなと思ったのが、こちら

20122174

コンサート開場いっぱいに広がる音を色にするとイエローだったんですね。
色で聴覚を象徴した絵です。

移りゆく季節の中の、美しさ。刻々と表情を変えていく自然。
人生を彩る、激情、感情、感動。
絵って、ある一瞬を切り取って、永遠に変えるわけですよね。
芸術家ってすごいな。と思いました。