ネコ

猫というと、思い出すのは小学生の頃。
わたし、ジュウシマツを買っていたんですよ。小鳥ね。
かごの鳥とはいえ、たまには外の空気に触れさせてやろうと、
物干し竿に、カゴを吊るしてたんですわ。

したらば。
やられました。猫です。
地面に置いてたわけじゃなく、あんなに高さがあるのに。
しかもカゴの戸まで開けられるとは露知らず。
走り去る猫の後ろ姿を見送るばかりでございました(合掌)

ある夏には、こんなこともありました。
居間にいた私は、なぜかしらん鰹節を持ってたんですよ。
うどんでも食べるとこだったのかもしれないけど、そのとき、
吐き出し窓の外に、中をうかがう猫一匹。

と思ったら、ネコ、網戸に飛びつきました!爪でしがみついて。
は?の間もなく、ネコは室内へ飛び込んできて、
私の手にある鰹節を奪いとる、という暴挙をやってのけたわけです。

何がなんだか分からないままに、引っ掻かれた恐怖。
小学生には驚愕のバイオレンスでありました。

確かにわかったのは、猫は肉食獣で、狩猟するということ。
トム&ジェリーのような腰抜けでは、生き抜けない野良の宿命か。

まぁそんなこんなで、「あの家、ヨユーだな」と思われてたのか、
飼ってないのに、家の中にまで入ってきてることもあったり。

車庫で子どもを産んだ猫もいて、両親は嫌がっていたけど、
赤ちゃん猫が可愛らしいあまり、
母猫がいない隙に見に行ったり、触ったりしていたら、
ある日、親子ともども、忽然と姿を消しちゃったんですねぇ。

「出産時だけ、安全そうな場所として使っただけ、子猫を触るな!」
っていう母猫の無言の抗議だったのかも。

今、住んでるところでも、猫は多いが、
ここらのは、飼い猫の散歩にちがいない。
人間が近付いても逃げない。どころか、悠然としてて、
「車出したいんだけど、どいてもらえます?」とお願いする有り様。

ペットなら、トイレはお家でしてちょーだいよ、と、ブツブツ言いながら、
家の周りにキャットカット(剣山みたいな、針のむしろ)を敷き詰めております。

こんな私には、生き物の世話など、とてもできないのは分かっちゃいるが、
この本を読んでると、ネコとの暮らしに、ちょっと憧れるのでありました。