ミックマック

「アメリ」のジャン=ピエール・ジュネ監督の新作を観てきました。

ザ・フランス映画って感じです。これを観ていたら、「エスプリ」って言葉を思い出しました。可笑しさと、ほろ苦さが入り混じってて、コメディを装った、シリアスさだったり。どっちも含む感じが好き。

アメリと違うのは、主人公が冴えないオジサンってことで、幼いころに父親を地雷で亡くし、大人になってからは自分自身も流れ弾を頭に受けて、職も家も失 い・・・そんな中、廃品回収で食いつなぐ、ユニークな人たちと出会って、共同生活を始めます。ある日、父を奪った地雷と、自分の頭に埋まったままの銃弾を 作った会社(とその社長)を見つけ、仲間たちの力を借りて仕返しをすることに・・・。

もし、この話を、ハリウッドで映画にしたら、主人公が、武器を全身に満載して会社に乗り込み、正義の名のもとに破壊しつくす戦慄の復讐劇になりそうです が、ジュネさんは違うね。「ミックマック」って仏語で「いたずら」っていう意味だそうですが、子どもが考えそうな悪戯なんだけど、大人の知恵と道具を使え ば、ここまでできるよっていう痛快な復讐です。笑い声立てちゃいました。

あとは、色ですねぇ。フィルム全体に琥珀色のトーンを被せたような、ほっこり懐かしい感じが、観ていて気持ち良かったです。最近の3Dブームで「これでも か~」の刺激が降り注ぐ映画に比べると、まろやか過ぎるのかもしれないけど、朝靄に包まれるパリの街並み、夕暮の路地裏とか、飛び出なくても十分の美しさ だから。ヨーロッパに行きたくなります。。。

帰りは キルフェボンでタルトを食べてきました。気分だけでもフランスに
Qu’il fait bon「なんていい陽気なんだろう!」という意味だとか。
ほんと、今日は澄み切った空色広がる秋の日でした。