ルノワールの時代-近代ヨーロッパの光と影

ルノワールの時代

はじめてのボストン美術館。

子どものころ、母の部屋にルノワールがかかっていました。今でも覚えてるくらいだから、あれが私の絵画鑑賞の原体験なのか、ルノワールの絵には、なんとなく懐かしさを感じます。

 

この絵「ブージヴァルのダンス」を見て、先日読んだこの本に書かれてたことを思い出しました。

男女の帽子(レッドとイエロー)は飛び出て見える色、男性の服と背景の木々(ブルーとグリーン)は引っ込んでみえる色。ふたりの服装も白と黒っぽいので対照的。見る人の視線がどう動くか、考えられてるんですね。

ブージヴァルのダンス

ファッションの学生さんが作ったドレス展示もありましたよ。

ルノワールは「陽」の部分しか描かない画家でしたが、近代化の「陰」、疲れた表情や、享楽にふけるさまを風刺する絵もありました。

今さら戻れない田舎暮らしに郷愁を感じてか、休みの日は郊外へ。川や海や森や、自然に癒しを求めるのは、このころ始まったんですね。

街と自然、絵で見比べると、光と色の豊富さが違います。海山は、グレーの都会から生き返らせてくれる場所だったんだろうなぁと思いました。

あと、個人的には、キルヒナーの絵がインパクト大でした。緑と紫という色の組み合わせは、心をかき乱されるような、暴力的に迫ってくるような感じがして。どちらも癒しの色なのに。

調和のグリーンと変化のバイオレット。ふつうがいちばんなグリーンと、独特でありたいバイオレット。反対の色が同時にあるから違和感があるのかな。

絵画って、普段目にしないような色の取り合わせがあって、おもしろいです。