記憶

人と話してて、ビックリすることの一つに、
過去の出来事を私だけが覚えていない、というのがある。

「あのとき、××さんっていたじゃない?」
「あのときは、これこれこうで、こうしてあーして…」

・・・全然、思い出せない。
申し訳ないけど、記憶の片鱗すら掴めない。
同じ場所にいて、同じことを見たり聴いたりしたはずなのに。
自分でもあきれる。

人の悩みってねぇ、
過ぎたことをクヨクヨ思うか、起きてもないことを心配するか、
どっちかだ、なんて言われますけどね、
こんな程度の記憶力で、過去について悩むのは全く無駄かも。
私の場合。

先日、好きな作家さんの好きな本リストを見つけ、
順番に読んでみてて、さらにそう思った。

きっかけになったのは、カート・ヴォネガットのこれ↓

かなり長い小説で、手にしたときは「わっ」とひいたんだけど、
時間&空間を飛び越えるストーリー展開に引き込まれて。

結構好き。こういう感じ。
皮肉の中にある微笑ましさ。笑いの中にある、ほろ苦さ。
勘違いと思い込みに彩られた人生、あぁ、とか。

印象に残ったシーン。

すべてを失くしたジェイルバード(囚人)が、
出所してから、たった一日で経験した親切の数々を語るところ。
何気ない日常の中にある、優しさ、ちょっとした心配り、など。

親切をしたとされる方は、まったく普通に日常を送ってるだけでも、
その笑顔や明るさが、誰かの役に立ってたりする。
なんて、いいよね。