ライダー版が多い中、数少ないマルセイユ版タロットを使った本なので、
一度は読んでおこうと思ったのですが・・・
手元に来てびっくり。あまりの分厚さに。重さに。
651ページ。
読み進めるの、めっちゃ時間かかりました・・・
さて、内容はというと、
愚者の旅になぞらえて、ユング心理学でいう「個性化」をたどる感じ。
ここで「個性化って???」と思う人には、ちょっとキビシイ内容かも。
「セルフ」「元型」「アニマ」などなど、
ユング独特の用語のオンパレードですので・・・知ってることが前提の本(ミニ解説はあります)
ゆえに、タロットカードのファンよりも、ユングの心理学が好きな人に向いてます。
絵柄の解釈も、実に 実に ユングっぽい。
連想が どんどん広がって。
夢分析や、タイプ論、神話や、、、と、拡大していきます
ちなみに、ユングのタイプ論で言うと、
著者は「直観」が優越、サブが「感情」というタイプだそうです。
で、「思考」と「感覚」が劣等ですから ・・・文章の展開に 理路整然さはありません。
まぁ、その辺も含めて、好みが分かれる本ですね。
私は、、、うーん、
フロイトやユングあたりの古い時代の心理学は
あまりに暗くて・・・・・どんよりしちゃうんですよ
たとえば 無意識について 「制御できない野獣」だから、意識が飲み込まれる。
なんて風に考えられないんですよねぇ。
言葉を駆使して、自我をはっきりさせるのが当然の西洋人と、
「以心伝心」を知ってる日本人じゃ、そもそも文化的背景が違いすぎてるんでしょう。
東洋人にとっての意識・無意識は、そんなに対立するものじゃなく、
西洋人ほど、二元論的な考えはもってない人が多いのでは?
ま、そういうことに違和感を感じないならば、ユングの考えに親しめる本のひとつでしょう。
タロットの本としては、
カードとカードのつながりについて、他にはない考え方が載っていたので、
こういう視点で見るのも面白いなっと思いました。